【自立健康生活の重要性】

こんにちは、Dr.Kです!

昨日は日帰りで大阪にて、
あるセミナーに
参加させて頂いていました。

「操体/操体法」と言うのをご存知ですか?
体操のミスタイプではありません。
医師の橋本敬三氏により創始された
健康法/治療法とその哲学です。

橋本 敬三氏は福島県に生まれ、
新潟医専(現新潟大学医学部の母体)を卒業、
新潟医専、東北大学にて生理学を専攻、
その後函館にて学校衛生技官や外科医として
活躍され、その後仙台に移られて
生涯を過ごされました。

函館時代に
高橋 迪夫氏による正體術
その他の民間療法を実践された後、
創り出されました。

初期には
客観的に骨格構造を観察し、
その歪みを補正し治療すると言う、
今で言うカイロプラクティックや
整体などの様な理論でした。

その後、客観的な見方を離れ、
個々人の内部感覚(快・不快)に基づき、
感覚受容器のフィードバック機能を
洗練させることが重要であることを
より強調する形に発展し、
実践者自身が快感覚を味わうという
感覚分析を重視する様になっています。

本来は橋本 敬三氏が医師として
実臨床で用いていた診断・治療体系ですが、
創始者自身が体系を完成しなかったことから、
操体法を健康法として捉えるか、
診断・治療体系がある臨床理論とするか
などにより実践者のスタンスに
バラツキがあります。

遺された著書をもとにしたり、
直接指導を受けた人達が伝える形で
橋本 敬三氏の哲学や理論を伝承しています。

仙台では創始者の孫で外科医である
橋本 雄二氏とその妻知花氏が活動され、
あん摩マッサージ指圧師である
曽孫の鈴木 健介氏が東京都台東区にて
施術に加え技術の探究と伝道活動を
国内外で行われていますが、
その他にも直接/間接的に学ばれて
全国各地で実践/伝道されている
方が多数いらっしゃいます。

操体法の哲学とは誤解を恐れずに簡略化すると、
人が自分でコントロール出来る
「息食動想」のバランスの歪みを補正する
ことで心身の健康を自力で維持向上させる、
と言うモノです。

腰痛などの痛みのある人に対して、
前後や左右の屈曲伸展、捻転、伸びなどの
運動動作を無理ない範囲で行わせたり、
施術者が他動動作を介助することで、
その動作の
屈曲/伸展、左右などで
どちらに痛みや苦痛があり
どちらが楽かを実践者に感じさせ、
運動制限や痛みのある方向の限界点から
楽な方向へ施術者が抵抗を加えながら、
楽な方向の限界点で
一定時間力を入れることを持続させた後に
脱力させると言うことを2-3回行うことで、
症状を軽減させると言うのが、
治療法としての「操体法」の理論です。

それと同じ理論で日々運動動作と
そらによる感覚を感じながら、
軽い抵抗を用いた動作、溜め、脱力
と言うのを行うことで
身体の歪みが病的になる前に補正する
と言うのが健康法としての操体です。

他覚的な柔軟性や筋力は全く関係なく、
実践する人の身体感覚がとても大切
という事を、
昨日講義をして下さった北田 洋三氏は
強調されていました。

そしてこのことがその他の
整体や指圧その他の
施術者の感覚と技術が重視される
理論や技術とは全く違うことと
認識させて頂きました。

北田 洋三氏は関西操体ネットワークの代表で、
橋本 敬三氏から仙台の温古堂にて直伝され、
その教えを関西に展開されているだけでなく、
創始者の曽孫の鈴木 健介氏と共に、
近年は毎年の様に訪欧して伝道されているとか。

北田氏の複数のお子さんは
医師になられたとのことで、
会場では精神科医の娘さんに
お会いすることが出来ました。

また本講義の前に84歳の物理学者の槌田 劭氏の
講演がありましたが、戦前戦中戦後のご経験から
思考や感情、そして栄養や運動、生活において
心身様々な意味でのバランスや歪みの重要性に
気がつかれたとのことで研究職を退き、
使い捨て時代を考える会、日本有機農業研究会、
などの活動を継続されており、
お話の内容に共感するとともに
お元気な姿に感銘を受けました。

今後自分も
日本発の操体法をなんらかの形で
自分のサービスに組み込んでいけたら、
と想いました。