医師の労働環境
こんにちは。
ヘルスドクター
宮崎 光史です。
長崎市の長崎みなとメディカルセンターの
心臓血管内科勤務医の急死事例(2014)の
訴訟の判決が出たとの記事がありました。
医師過労死で病院に賠償命令 長崎、1億6千万円
長崎市の長崎みなとメディカルセンターに勤務し、2014年に急死した男性医師(当時33)の遺族が、病院側に損害賠償や未払いの残業代を求めた訴訟の判決で、長崎地裁は27日、「負担は極めて重かった」として過労死と認め、約1億6700万円の支払いを命じた。 …
長崎地裁が2019年5月27日に過労死と認定、
約1億6700万円の支払いを病院に命じたとのこと。
自宅で心肺停止の状態で発見される
直前1カ月の残業は159時間。
今年3月にまとめられた有識者による報告書では
一般勤務医の残業上限を「休日労働を含み月100時間未満、年960時間」
地域医療を担う勤務医については「年1860時間」
研修医についても本人が申し出た場合、年1860時間を認める。
と言うモノで、この内容も適用されるのは2024年から。
そして地域医療を担う勤務医の上限は2035年までの「特例」だとか。
残業上限「年1860時間」で決着 医師の働き方改革
医師の働き方改革に関する有識者検討会は28日、一部医師の残業時間の上限「年1860時間」を含む報告書をまとめた。4月から一般労働者に適用される働き方改革関連法の…
特例期間中の地域医療を担う医師の年間上限1860時間は、
1カ月当たり換算155時間で、過労死ラインの約2倍。
今回の長崎の医師は159時間。
4時間超過してますが、
特例期間中の上限と一緒
と言って過言では無いでしょう。
「病院が医師の残業時間を把握せず、
負担軽減策も取らなかったのは違法」
と言う裁判長の認定は大変意義あること
ですが、今後も実は
このレベルの時間外勤務は
地域医療を担っていれば
当たり前にされてしまう
のが現状です。
医師は労働基準法の対象外
と言うのは昔から言われていたこと
ではあります。
上記の「働き方改革」報告書では
「過労死認定は一般労働者と同様になる」
と言う内容がありますが、
言い換えれば
「地域医療を担う医者は、死なない限りは過労死ラインの倍働け」
と言うことです。
もちろん人に尽くしたいと言う
気持ちがあって医師になる人が
多いとは思いますが、
だからといってこの扱いは無いのでは…
と感じてしまうのはイケナイこと
なのでしょうか…。
ここまで無理をさせるのでは無く、
現状の労働力に合わせた病院の統廃合を行い、
集約した病院で一般労働者と同等レベルの
健全な働き方を実現させる、
と言う様な考えは、
有識者の方々からは出ないのだろうか。
出ないからこの様な方針になるのでしょうが。
時間と場所に縛られずに
多くの方に貢献する働き方を
目指すことになった自分は
この環境から抜け出た訳ですが、
医師としては嘆かずにはいられないです。
これを読まれた一般の方々も
是非一度考えてみて頂けると
幸いです。
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