あなたのお腹の不調の原因はなんでしょう?
こんにちは!
ヘルスコンサルタント
宮崎 光史です。
過敏性腸症候群とは
意外と多くの方が、
便通などのお腹の不調を感じている様です。
そして、お腹に良いと言われる
食材を意識して摂るようにしても
症状は一向に良くならない。
そういう方のなかに
過敏性腸症候群(Irritable Bowel Syndrome:IBS)
と言う疾患があります。
診断基準も提唱されており、
過去3ヶ月間、月に3日以上、
腹痛やお腹の不快感が繰り返し起こり、
1.排便するとお腹の痛みや不快な症状が和らぐ
2.お腹が痛い時に、便の回数が増減する
3.お腹が痛かったり不快な症状がある時、
便が硬かったり水の様になったりする。3つのうち2つ以上当てはまる場合、
IBSの可能性が高いとされています。
基本的には、
下痢になったり便秘になったり、
お腹が張ってしまったり、
腹痛があったり、
と言うのが症状になります。
しかし、大腸内視鏡検査をしても
特に異常は見られないのです。
ひどい症状の場合には、
いつお腹がゴロゴロして
下痢になるか分からず、
外出もままならない方もいます。
しかし、これと言った治療法も無く、
一般的に「お腹に良い」とされる食事法
・食物繊維を多くとる
・発酵食品を多くとる
・アブラを控える
というものが推奨されてきました。
病院でも医師や栄養士により
「食物繊維をしっかりと、脂っこいものは控えましょう」
というような曖昧な指導が長年行われてきました。
そして、IBSは
ストレス関連疾患として捉えられて
いましたので、ストレス源への対応が
唯一の対処法とされてきました。
過敏性腸症候群に対する食事法:低FODMAP食
ところが、実はストレスばかりが
原因とも言えないことが分かってきました。
オーストラリアのMonash UniversityのPeter Gubson教授らにより
ある食事法が、IBSの症状を改善したと言う
報告が為されました。
それは、Low FODMAP Dietと言います。
日本語では「低FODMAP食」と言われます。
FODMAPという特定の糖質群を
摂らないまたは減らす食事法です。
【FODMAPって何?】
Fermentable(発酵性)
Oligosaccharides(オリゴ糖):フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖
Disaccharides(二糖類):ラクトース(乳糖)
Monosaccharides(単糖類):フルクトース(果糖)、グルコース(ブドウ糖)
And
Polyols(ポリオール類):ソルビトール、マンニトール、キシリトール、マルチトール以上の頭文字を取って、
FODMAPと名付けられました。
そんなこと言われても分かりませんよね。
では、これらが多く含まれる食材を
挙げてみます。
【高FODMAP食(以下は一例です)】これらは避けるべき食材です。
<野菜>
アスパラガス、アーティチョーク、玉ねぎ、にんにく、ビーツ、ゴボウ、セロリ、とうもろこし、豆類全般<果物>
りんご、梨、洋梨、マンゴー、スイカ、アボカド、グレープフルーツ、桃、すもも、さくらんぼ、いちじく、柿、クコの実<乳製品>
牛乳、ヤギミルク、ヨーグルト、生クリーム、サワークリーム、クリームチーズ、リコッタチーズ、ハルーミチーズ<穀物>
ライ麦、大麦、小麦<ナッツ・種>
カシューナッツ、ピスタチオ<その他>
納豆、キムチ、はちみつ、アガベシロップ
如何でしょうか?
お腹に良いとされる、
食物繊維:アスパラガス、セロリなど
発酵食品:ヨーグルト、納豆、キムチ
が、一部の人にとっては、
むしろ下痢や腹痛などの原因となっていた
という事実にはビックリしますよね。
これを知ってしまうと、
簡単に「ヨーグルトや納豆、キムチを食べましょう」
とアドバイスができなくなります。
また、FODMAPは小腸で吸収されにくい物であり、
これらが小腸に入ると、濃度を薄める為に腸液が
多量に分泌され、下痢になるとも言われています。
小腸で吸収されなかった糖類は、
大腸では腸内細菌の餌となりますが、
IBS患者さんの大腸にはLactobacillus、Villonellaと言う菌株が
多くいると言う報告もあります。これらの菌は糖類から
「短鎖脂肪酸」と言う有用物質を生成します。
ところが、これがIBS患者さんにとっては、
悪影響を及ぼしているのでは無いかとも言われます。
では、一体何を食べればよいのでしょうか?
【低FODMAP食(以下は一例です)】これらは食べて良い食材です
<野菜>
アルファルファ、もやし、さやいんげん、ちんげん菜、ケール、パプリカ、キャベツ、レタス、人参、きゅうり、トマト、なす、ズッキーニ、大根、じゃがいも、かぼちゃ、さつまいも、オリーブ、ハーブ類<果物>
バナナ、みかん、オレンジ、レモン、ぶどう、メロン、ブルーベリー、いちご、ラズベリー、キウイフルーツ、ココナッツ<乳製品>
バター、ギー、高FODMAP以外のチーズ(ブリー、カマンベール、フェタチーズなど)<穀物>
オーツ麦(オートミール)、米全般、蕎麦、キヌア<ナッツ・種>
アーモンド(9粒まで)、くるみ、ピーカンナッツ、松の実、チアシード、ごま、かぼちゃの種<その他>
肉類全般、魚介類全般、油全般、豆腐、テンペ、みそ、醤油、わさび、スパイス類
意外なものもありますね。
上記の診断基準に当てはまる方については、
一度病院にて大腸内視鏡検査で異常が無い
ことを確認しておいた上で、
上記の様な低FODMAP食を取り入れるのも
ありかも知れません。
FODMAP食の継続期間と注意点
IBS患者さんの治療としては、
通常4-6週間ほど低FODMAP食にしてから
徐々に通常の食事に戻していきます。
その際には、ひとつずつ高FODMAP食を摂っていき、
症状が再燃する様なものは引き続き避けることもあります。
また、最近の研究では
長期に渡り低FODMAP食を続けた場合、
腸内細菌の多様性が減ってしまうことがある
と言う報告もあります。
ですので、基本的には1ヶ月程度に
とどめておくのが無難かと思います。
心配な場合は、
理解のある医師・栄養士のアドバイスを
受けることをおすすめします。
出来ることから
始めてみませんか?
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